摂食障害グループ
摂食障害(摂食症)グループは、神経性やせ症および神経性過食症を中核とする摂食障害の臨床、教育、研究に携わってきました。
摂食障害は、思春期やせ症という病名で知られていた時期もあり、当時は10代の女性に発症する稀な疾患と考えられていましたが、時代とともに多様化し、頻回に過食嘔吐する症例、下剤を乱用する症例、高齢発症の症例、男性例、さらには診断基準をはっきり満たさないが臨床上意味のある食行動異常が認められる特定不能の摂食障害の症例なども認められるようになりました。さらに摂食障害自体の多様化に加え、種々の精神疾患の併存による多様化も見られるようになり、診断や治療の難易度は上がってきています。特に重症遷延化した症例に対しては、限られた医療資源の中でどのように対応するかが、非常に重要な課題となっています。
近年、当科に通院している摂食障害患者数は年間70名前後(実数)であり、全道各地から初診の摂食障害の方を受け入れています。年代としては小学生から50代までと幅広い年代の方が通院もしくは入院しておりますが、特に当科では、重症遷延性摂食障害に該当する方が比較的多く、難治例や治療困難例も通院または入院しているのが現状です。
一方、摂食障害は早期に治療介入することにより、寛解にまで至る疾患であることが知られているため、BMI 16以上の比較的軽症の段階の摂食障害を対象に2週間で完結する摂食障害教育入院も実施しています。
さらに、啓発活動や地域連携を促進することにより、早期発見や早期治療を実現したいと考えており、摂食障害支援拠点病院化を目指して取り組んでいるところです。