てんかん・PNESグループ
てんかんPNESグループは、てんかんと心因性非てんかん性発作(PNES: psychogenic non-epileptic seizures)に特化した臨床・研究を行う専門グループです。てんかん患者の43%が何らかの精神疾患を併存することが知られていますが、当グループはすべての併存精神疾患に対応しつつ、特にPNESに重点を置いて診療・研究を行っています。PNESは、てんかんと似た発作症状を呈するものの対処法が異なるため、正確な鑑別が極めて重要です。当グループでは、長時間ビデオ脳波モニタリング(年間15〜25件実施)により脳波所見と発作症状を評価しつつ、心理検査を含めた精神医学的評価を加えることで、より正確な診断を行っています。
研究面では、PNESの臨床経過や予後に関する検討に加え、てんかん患者における皮膚電気活動の特徴、難治性てんかん非手術例の長期予後、特発性全般てんかん患者の受診行動の実態、クロザピンによる副作用としてのてんかん発作についてなど、てんかんと精神疾患に関する多様なテーマに取り組んでいます。
今後もてんかんと精神疾患の境界領域において、特にPNESという診断上・治療上の課題を抱えやすい病態に焦点を当てた診療・研究を通じて、患者の全人的理解とケアの質向上に貢献していきます。