平成26年度研修医

初期研修医
梅津 弘樹

私は初期臨床研修医2年目の11か月間を北大精神科で研修させて頂きました。北大精神科では少なくとも1年は北大で研修を行うというシステムになっています。研修医という身分で上級医の下につき患者を診察する機会というものは、研修医から医師になってしまうと全くありません。研修医として働くことができる貴重な2年間のうち1年間を北大精神科で過ごせたことは非常に有用であったと思っています。

研修では8名ほどの担当入院患者を診察するだけでなく、外来の新患の予診をとる機会を与えられます。今、実際に地方で新患を診察していると、これがとても実践に即した優れたシステムであるとわかります。当然ですが精神科医として地方の病院に行くと、すぐに外来診療を行わなければなりません。特に新患では全く情報のない中から診断、治療方針、患者への説明まで行わなければなりません。研修期間の予診で実際に行っていることは、新患をとるのと似たことをしているわけです。予診をとった後は、ベテランの先生の本診を見学するわけですが、それが答え合わせになっています。「自分だったらこう考えて、こういう説明をするかな」という、自分なりのベースをそこで作ることができるのだと思います。さらに言えば、新患を診察する先生は曜日ごとに異なるため、様々な問診の取り方、説明の仕方を偏りなく学ぶことができます。

精神科の医師は心が広くないと務まらないのか、もしくは精神科医を長年していると心が広くなるのか、優しく、穏やかな先生方が多いです。他科では適応障害を起こしかねない自分もなんとかやって来れました。興味があれば是非一度見学をお勧めします。