平成26年業績 論文

1.学術論文

  • The consortium on lithium genetics, Hou L, Heilbronner U, Rietschel M, Kato T, Kuo PH, McMahon F, Schulze TG: "Variant GADL1 and response to lithium in bipolar I disorder.", N Engl J Med.370, 1857-1859, (2014)
    The consortium on lithium geneticsによって集められた218例の台湾人ならびに日本人の双極I型障害患者において,GADL1多型とリチウム反応性の関連を検討したが,有意な関連は認められなかった。
  • Nomura M, Kaneko M, Okumura Y, Nomura J, Kusumi I, Koyama T, Nomura Y: "Involvement of serotonin transporter gene polymorphisms (5-HTT) in impulsive behavior in the Japanese population.", PLOS ONE.10, e0119743, (2015)
    セロトニン・トランスポーターの多型性(5-HTTLPR)がGo/Nogo罰則フィードバック課題中に認められる運動調節過程に影響を及ぼすかを検討する目的で,61例の健常者において5-HTTLPRとGo/Nogo課題中のコミッション・エラーの回数(衝動性)の関連を調べた。その結果,s/s多型群は,s/l多型群比べて,ミスを犯すと罰則的な条件下において衝動性がより低かった。このことは,5-HTTLPRが行動調節過程自体に直接影響を及ぼしていないものの,リスク可能性の評価に影響していることを示唆している。
  • Narishige R, Kawashima Y, Otaka Y, Saito T, Okubo Y: "Gender differences in suicide attempters: a retrospective study of precipitating factors for suicide attempts at a critical emergency unit in Japan.", BMC Psychiatry.14, 144, (2014)
    若年者の自殺企図の特徴を明らかにすることを目的に,2010年3月1日~2013年12月31日の3年10か月間において,日本医科大学付属病院高度救命救急センターに入院となった自殺未遂症例について,診療録等から,自殺企図手段,精神科通院状況,自殺企図の誘因,DSM-IV-TRに基づく精神科診断等を調査し,重篤な自殺企図者の男女差について検討した。
  • Okada S, Morinobu S, Fuchikami M, Segawa M, Yokomaku K, Kataoka T, Okamoto Y, Yamawaki S, Inoue T, Kusumi I, Koyama T, Tsuchiyama K, Terao T, Mimura M: "The potential of SLC6A4 gene methylation analysis for the diagnosis and treatment of major depression.", J Psychiatr Res.53, 47-53, (2014)
  • Kohno K, Baba H, Inoue T, Nakai Y, Toyomaki A, Suzuki T, Hatano K, Arai H, Terao T: Dose-dependent effects of light on hyperthymic temperament. J Affect Disord.162, 26-29, (2014)
  • Baba H, Kohno K, Inoue T, Nakai Y, Toyomaki A, Suzuki T, Hatano K, Arai H, Terao T: The effects of mental state on assessment of bipolar temperament. J Affect Disord.161, 1-3, (2014)
  • Inoue T, Kohno K, Baba H, Takeshima M, Honma H, Nakai Y, Suzuki T, Hatano K, Arai H, Matsubara S, Kusumi I, Terao T: Does temperature or sunshine mediate the effect of latitude on affective temperaments? A study of 5 regions in Japan., J Affect Disord.172, 141-145, (2015)
    多施設共同研究により,国内5地域に住んでいる一般住民を対象に,抑うつ,循環,焦燥,不安,発揚の5感情気質をTEMPS-Aにより評価した。緯度が低いほど発揚気質の傾向が強く認められた。重回帰分析により,日照時間より平均気温が発揚気質に相関していることが明らかになった。
  • An Y, Inoue T, Kitaichi Y, Nakagawa S, Wang C, Chen C, Song N, Kusumi I: "Subchronic lithium treatment increases the anxiolytic-like effect of mirtazapine on the expression of contextual conditioned fear.", Eur J Pharmacol.747, 13-17, (2015)
  • Inoue T, Inagaki Y, Kimura T, Shirakawa O: Prevalence and predictors of bipolar disorders in patients with a major depressive episode: the Japanese epidemiological trial with latest measure of bipolar disorder (JET-LMBP)., J Affect Disord.174, 535-541, (2015)
    多施設共同研究により,大うつ病エピソードを呈して医療機関を受診した患者448名を調査し,双極性障害患者の割合(25.4%)を報告した。さらに,多重ロジスティック回帰分析により,様々な臨床因子から,抗うつ薬による躁転,混合性の特徴,過去1年間のエピソード回数(2回以上),双極性障害の家族歴,大うつ病エピソードの初発年齢(25歳未満),自殺企図歴,の5因子が双極性障害の診断に有意に関連する因子であることを明らかにした。これら5因子のうち2つ以上の因子が存在する場合,94%以上の特異度で双極性障害であることが予測される。
  • Asakura S, Koyama T, Hosokai T, Kawano H, Kajii Y: Post-marketing surveillance of fluvoxamine maleate used long-term in patients with social anxiety disorder in Japan.", Drugs-Real World Outcomes.1, 7-19, (2014)
    日本人のSAD症例に対し53週間のフルボキサミン投与によるPost-Marketing Surveillanceをおこなった。安全性は1790例,有効性は1504例で解析した。副作用は18.2%に認められ,悪心,眠気,便秘が主なものであった。78.4%に治療反応性がみられた。日本人のSADに対しフルボキサミンの長期投与の安全性と有効性が確認された。
  • Kitaichi Y, Inoue T, Nakagawa S, Omiya Y, Song N, An Y, Chen C, Kusumi I, Koyama T: "Local infusion of citalopram into the amygdala decreased conditioned fear of rats through increasing extracellular serotonin levels.", Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry.54, 216-222, (2014)
  • Kako Y, Ito K, Hashimoto N, Toyoshima K, Shimizu Y, Mitsui N, Fujii Y, Tanaka T, Kusumi I: The relationship between insight and subjective experience in schizophrenia. Neuropsychiatr Dis Treat 10: 1415-1422, (2014)
    入院治療を行った統合失調症患者74名を対象に,退院時に病識と主観的体験(主観的欠陥,主観的ウェルビーイング,主観的QOL,主観的抑うつ,服薬心理)を評価した。不良な主観的ウェルビーイングと精神障害に罹患している自覚やその社会的結果の自覚が関連しており,主観的苦痛を感じていることと現在の症状の自覚や陰性症状を精神障害へ帰属できていることが関連していた。良好な服薬心理は,全般的な病識の良好さと関連していた。
  • 賀古 勇輝,大久保 亮,清水 祐輔,三井 信幸,田中 輝明,久住 一郎:統合失調症患者の病名告知に関する多施設調査,『精神神経学雑誌』 116,813-824,(2014)
  • Boku S, Toda H, Nakagawa S, Kato A, Inoue T, Koyama T, Hiroi N, Kusumi I: Neonatal maternal separation alters the capacity of adult neural precursor cells to differentiate into neurons via methylation of retinoic acid receptor gene promoter., Biol Psychiatry.77, 335-344, (2015)
  • 岩田 みちる,下條 暁司,橋本 竜作,柳生 一自,室橋 春光:発達性ディスレクシアにおけるRey複雑図形と文字の書き写しの関連性検討,『子ども発達臨床研究』7, 1-4,(2015)
  • Ito T, Otsubo H, Shiraishi H, Yagyu K, Takahashi Y, Ueda Y, Takeuchi F, Takahashi K, Nakane S, Kohsaka S, Saitoh S: "Advantageous information provided by magnetoence-phalography for patients with neocortical epilepsy.", Brain Dev.37, 237-242, (2015)
    脳磁図が新皮質てんかん患者における手術,診断および管理に有用な情報を与えるかを73症例の検査結果,臨床経過から検討した。結果24例で等価電流双極子の集積を認め,半数で診断確定に寄与した。さらに9例では外科的治療の方針変更,8例で治療管理方針の変更に有用であった。本研究によって新皮質てんかんにおける診断,治療方針,特に外科治療の方針決定において脳磁図が必須の役割を果たすことが示された。
  • Toda H, Boku S, Nakagawa S, Inoue T, Kato A, Takamura N, Song N, Nibuya M, Koyama T, Kusum I: Maternal separation enhances conditioned fear and decreases the mRNA levels of the neurotensin receptor 1 gene with hypermethylation of this gene in the rat amygdala., PLoS One.9, e97421, (2014)
  • 若槻 百美,鈴木 克治,仲唐 安哉,橋本 直樹,中川 伸,井上 猛,久住 一郎,小山 司:入院時大うつ病症例における気質と転帰の関連,『精神医学』 56,951-957,(2014)

2.症例報告

  • 岩田 みちる,草薙 静江,橋本 竜作,柳生 一自,室橋 春光:読み書き困難児に対する指導の一例,『子ども発達臨床研究』7, 49-55,(2015)
  • 岩田 みちる,柳生 一自,横山 里美,室橋 春光:二次障害を呈した読み困難児に対する包括的支援の重要性,『子ども発達臨床研究』7, 57-62,(2015)
  • 仲唐 安哉,井上 猛,久住 一郎:大うつ病性障害の寛解期に生じた慢性腰痛にescitalopramの増量が有効であった1例,『精神科』 25, 551-554,(2014)

3.解説・評論・その他

  • 古川 壽亮, 下寺 信次, 明智 龍男, 山田 光彦, 渡辺 範雄, 稲垣 正俊, 三木 和平, 米本 直裕, 小川 雄右, 田近 亜蘭, 竹島 望, 篠原 清美, 藤瀬 昇, 相澤 明憲, 池田 学, 安元 眞吾, 広田 進, 内村 直尚, 岡本 泰昌, 高石 佳幸, 萬谷 昭夫, 倉田 健一, 山脇 成人, 藤田 博一, 窪内 肇, 森 信繁, 近藤 真前, 加藤 正, 辻野 尚久, 茅野分, 水野雅文, 管 心, 杉下 和行, 笠井 清登, 井上 猛, 伊東かほり, 久住 一郎, SUN☺D臨床試験グループ:SUN☺D大うつ病に対する新規抗うつ剤の最適使用戦略を確立するための大規模無作為割り付け比較試験, 『精神医学』 56, 477-489, (2014)
  • 齊藤 卓弥, 岡田 俊, 田中 究, 本城 秀次, 飯田 順三, 松本 英夫:DMS-5を理解するための基礎知識(第3回) 神経発達症群/神経発達障害群と秩序破壊的・衝動制御・素行症群, 『精神神経学雑誌』 116, 332-338, (2014)
  • 齊藤 卓弥:DSM-5 DSM-IV-TRからの変更点, 『児童青年精神医学とその近接領域』 55, 11-517, (2014)
  • 齊藤 卓弥:注意欠如多動症(ADHD)の概念・症候・診断基準, 『精神科治療学』 29増刊, 307-312, (2014)
  • 岡田 俊, 松本 英夫, 飯田 順三, 齊藤 卓弥, 田中 究, 本城 秀次:DSM-5を理解するための基礎知識 排泄症群, 『精神神経学雑誌』 116, 629-631, (2014)
  • 飛鳥井 望, 市川 宏伸, 岩田 仲生, 内山 真, 太田 敏男, 大野 裕, 大森 哲郎, 尾崎 紀夫, 鹿島 晴雄, 兼本浩祐, 神庭 重信, 北村 秀明, 久保 千春, 小山 善子, 齊藤 卓弥, 佐々木 司, 清水 栄司, 豊嶋 良一, 針間 博彦, 樋口 輝彦, 深津 亮, 松下 昌雄, 松永 千秋, 松本 ちひろ, 松本 英夫, 丸田 敏雅, 三野 進, 宮田 久嗣, 村井 俊哉, 吉内 一浩:DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン(初版), 『精神神経学雑誌』 116, 429-457, (2014)
  • 齊藤 卓弥:妊娠中の抗うつ薬の使用の是非について教えてください,『Depression Journal』 2, 56-57, (2014)
  • 齊藤 卓弥:成人期の注意欠如多動性障害について 正しい理解・診断と治療の最前線, 『Nursing BUSINESS』 8, 652-653, (2014)
  • 齊藤 卓弥:DSM-5における発達障害の新たな枠組み, 『小児科診療』 77, 1759-1764, (2014)
  • 齊藤 卓弥:発達段階と自殺行動, 『若年者の自殺対策のあり方に関する報告書』, 5-16, (2014)
  • 齊藤 卓弥:児童青年期の自殺の心理学的剖検の系統的なレビュー, 『若年者の自殺対策のあり方に関する報告書』, 17-26, (2014)
  • 井上 猛:うつ病診療-入り口から出口で 治療薬解説:SSRI, SNRI, NaSSAの特徴とその使い分け, 『Current Therapy』 32, 71-76, (2014)
  • 井上 猛:Olanzapineの双極性うつ病に対する臨床効果と適応拡大, 『臨床精神薬理』 17, 947-954, (2014)
  • 井上 猛:双極性障害の診断, 病態と新規治療薬の作用機序, 『臨床精神薬理』 17, 1687-1694, (2014)
  • 田中 輝明:座談会「混合性の特徴を伴う特定用語と不安性の苦痛を伴う特定用語をめぐって(前編)」, 『臨床精神医学』 43, (2014)
  • 田中 輝明:座談会「混合性の特徴を伴う特定用語と不安性の苦痛を伴う特定用語をめぐって(後編)」, 『臨床精神医学』 43, (2014)
  • 賀古 勇輝:児童青年期統合失調症の臨床的特徴, 『児童青年精神医学とその近接領域』 55, 373-377, (2014)
  • 栗田 紹子, 久住 一郎:特集 II.知っておきたい神経疾患 抗NMDA受容体脳炎, 『精神科』26, 134-137, (2014)
  • 藤井 泰, 田中 輝明:双極性障害維持期に併存する不安障害の薬物療法, 『臨床精神薬理』 17, 1113-1119, (2014)
  • 藤井 泰, 朝倉 聡:対人恐怖と統合失調症, 『精神科治療学』 29, 1099-1104, (2014)

4.著書

  • 久住 一郎:クロザピン治療と高血糖・ケトアシドーシスについて教えて下さい,pp.200-202(藤井康男編:『クロザピン 100のQ&A』,星和書店,東京), (2014)
  • 齊藤 卓弥:抑うつ尺度,pp.7-9(齊藤万比古編:『子どもの心の処方箋ガイド』,中山書店,東京)(2014)
  • 齊藤 卓弥:月経前不快気分障害,pp.283-285(齊藤万比古編:『子どもの心の処方箋ガイド』,中山書店,東京),(2014)
  • 齊藤 卓弥:重篤気分調節症,pp.286-290(齊藤万比古編:『子どもの心の処方箋ガイド』,中山書店,東京), (2014)
  • 井上 猛:モノアミン系とストレスに対する脆弱性とレジリアンス,pp.80-87(八木剛平,渡邉衡一郎編:『レジリアンス症候学・脳科学・治療学』,金原出版,東京), (2014)
  • 井上 猛:気分循環性障害,pp.78-84(神庭重信編:『DSM-5を読み解く 伝統的精神病理,DSM-IV,ICD-10をふまえた新時代の精神科診断 3双極性障害および関連障害群,抑うつ障害群』,睡眠-覚醒障害群,中山書店,東京),(2014)
  • 朝倉 聡:第1部早期段階の主訴・症候の診方と鑑別 第1章不安,pp.193-227(水野雅文編:『精神科臨床エキスパート 重症化させないための精神疾患の診方と対応』,医学書院,東京) (2014)
  • 朝倉 聡:不安障害(パニック障害,社交不安障害),pp.262-267(齊藤万比古編:『子どもの心の処方箋ガイド,中山書店,東京), (2014)
  • 朝倉 聡:うつ病における不安と不安改善の意義,pp.1-4(小山 司編:『Depression Strategy vol.4 No.1』,先端医学社,東京), (2014)
  • 賀古 勇輝,朝倉 聡:ⅩⅠ鑑別診断 ①社交不安障害との鑑別 社交不安障害・対人恐怖との鑑別を要した統合失調症の1例,pp.172-174(大森哲郎監修:『統合失調症ケーススタディー』,メディカルレビュー社,大阪), (2014)
  • 仲唐 安哉,井上 猛,久住 一郎:デュロキセチンによる難治性うつ病へのアプローチ,pp.126-131(小山 司,樋口 輝彦編:『デュロキセチンのすべて』,先端医学社,東京), (2014)