令和3年度研修医

初期研修医
佐藤 寛

私は初期研修医2年目で前期長期研修として北大病院精神科で研修させていただきました。本当に充実した毎日で、息をつく間もなく、1年間が過ぎていきました。研修の感想を率直に申し上げると、「北大精神科を選んで本当によかった」です。具体的には下記に沿って詳しくお伝えできればと思います。

1.充実したクルズス

1年間を通して、100時間を超えるクルズスの時間があります。ここでは、統合失調症、気分障害、神経症、てんかん、児童・思春期精神医学、認知症、リエゾン医学、依存症といった精神科のメジャーな疾患群を専門科の先生の元で詳しく学ぶことができます。また、精神療法のレクチャーもしていただけます。さらには、精神科で必要な周辺知識として社会福祉制度、臨床心理学なども専門職の方々から教えていただけます。最初は右も左も分からない状態でしたが、1年間を通して基礎知識を身につけることができることができました。

2.教育熱心な指導医の先生方

外来業務では初診患者さんの診察の予診を行い、その後本診に陪席します。初診時の問診から診立てをつけるまでの一連の流れを勉強する大変良い機会でした。さらに、その後には指導医から初診時のカルテのまとめかた、精神科にとって重要な生活歴・現病歴・精神医学的現在症の記載方法も指導していただけます。病棟業務やリエゾン業務では、担当医として患者さんの日々の診療にあたります。必ずオーベンの先生が指導についてくれるので、日々の診療で疑問に思ったことなどは気軽に質問できます。

3.朝カンファレンス、グループカンファレンス、新患発表

北大精神科でのカンファレンスは、活発な議論が行われています。堅苦しいカンファレンスでなく、自由に意見を述べることができる文化なので、各分野の専門科の先生方から最新の知見を聞くこともできますし、専攻医や研修医同士での理解を深めることもできます。操作的な診断基準だけでなく、精神科医としての基本である精神病理やEBMに基づいた薬物療法についても深く学ぶことができます。

様々な理由で精神科に入局するかどうか迷っている先生方もいるかと思います。精神科は身体的な疾患のようにバイオマーカーがあるわけでもなく、疾患特異的な検査がないことが多いです。だからこそ、患者さんを目の前にしたときに、その鑑別疾患を診たてていくおもしろさがあります。さらには、薬だけではなく面談や精神療法を通して、自分しか出来ない治療を組み立てなければいけない責任や魅力もあります。是非一考してみてください!
どこの精神科に入局しようと迷っている先生方には、北大精神科を選んで絶対に、絶対に間違いはないと思いますので、迷わずに選んでください!