お知らせ
Psychiatry and Clinical Neurosciences誌に論文発表(加藤隆弘教授・久保太聖心理士)
2026年03月19日
当教室教授の加藤隆弘先生および心理士の久保太聖さんの論文が、Psychiatry and Clinical Neurosciences誌に掲載されました。
【論文名】Parental bonding and attachment in the hikikomori trajectory
【掲載URL】https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pcn.70014
<概要> 本研究では、ひきこもりの発生と持続における心理社会的要因を明らかにするため、ひきこもり当事者(以下、当事者)およびひきこもりの子をもつ親を対象とした大規模なオンライン調査を実施しました。
近年、ひきこもりは単一の状態ではなく、何らかの支援が必要な「病的なひきこもり」と、明らかな社会機能の障害や苦痛を伴わない「非病的なひきこもり」の存在が示唆されています。本研究では、これらのひきこもり状態に「幼少期の親の養育態度」と、成人後の対人関係の土台となる「愛着スタイル」がどのように影響するかを分析しました。
その結果、病的なひきこもり状態にある人々は、親からのケアが乏しく過度に干渉される「愛情に乏しい束縛」や「ネグレクト」を経験している傾向があることが示唆されました。さらに、これらの傾向が当事者の「恐れ・回避型」の愛着スタイルを形成し、病的なひきこもり状態を深化させていることが明らかになりました。本研究は横断的なものであるため、慎重な解釈が求められますが、本成果は、ひきこもり支援において、当事者へのアプローチのみならず、親の感受性を高める支援や家族全体の愛着関係の再構築が極めて重要であることを示唆しています。
